両立支援と一言で言い表せられないくらい幅広いことへの対応が必要になります。したがって、人によってとらえ方に差異があり、「両立支援と言えば意見書である」とか、「両立支援と言えば就業規則である」とか、自分の得意なフィールドで語りがちになります。当然、得意なフィールドはどんどん伸ばしていただけくことは重要ですが、全体像をしっかりと理解することもまた重要です。今回は、患者さんの語りから就業継続する上においての困ったこと、あってよかったこと、などを質的研究の手法でまとめた論文をご紹介します。
この要素は3つの主要テーマに集約されました。本人側の要因(①業務能力の低下、②心理的な影響、③ヘルスリテラシー、④本人の属性、⑤家族の問題)と職場の要因(⑥職場構造、⑦職場の仕組み、⑧職場の支援)と社会の要因(⑨多職種・他業種連携、⑩社会制度)といった具合です。先ほどの意見書は①と⑨で、就業規則は⑦に該当します。すなわち、自分の中での両立支援マップを作るうえでも重要な両立支援に関する基盤として10のカテゴリーが示されたことになります。もう少し詳しく知りたい方はぜひ、論文をお読みいただければと思います。
Shunsuke Inoue, Seiichiro Tateishi*, Arisa Harada, Yasushi Oginosawa, Haruhiko Abe, Satoru Saeki, Junichi Tsukada and Koji Mori: Qualitative study of barriers and facilitators encountered by individuals with physical diseases in returning and continuing to work. BMC Health Services Research (2022) 22:1229 https://doi.org/10.1186/s12913-022-08604-z
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